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『ミレニアム』(''Millennium'')は、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説。「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」から成る三部作。 第1部の原題 "Män som hatar kvinnor" は直訳すると「女を憎む男」であり、「ドラゴン・タトゥーの女」は英語版の題である "The Girl With The Dragon Tatoo" から、本作の第二の主人公リスベットは20代の女性だが欧米言語でGirlという場合は若い成人の女性も含むので実際に対応する日本語は「娘」。英語版の題は、「龍の刺青を持つ女(娘)」と「火と戯れた女(娘)」と「雀蜂の巣を蹴った女(娘)」(原題:"Luftslottet som sprängdes" = 爆発した空の城)で二作目の題と同じ言い回しで全三作の題が付けられている。英語で火と戯れるとは「火遊び」、つまり危険なことをするという慣用表現。雀蜂の巣を蹴るとは危険を顧みずにとんでもないことをしでかす、あるいは敵を挑発するという意味の慣用表現。 == 概要 == ジャーナリストであったラーソンがパートナーの女性エヴァ・ガブリエルソンと執筆した、処女小説にして絶筆作品である。ラーソンはジャーナリストとして反人種差別・反極右を掲げていたため、万が一にもガブリエルソンに危害が及ばないようにと、婚姻関係を結ばなかったが、ラーソンが18歳の時から50歳で亡くなるまでを共に過ごした生涯の伴侶である。 本国スウェーデンでは、第1部が出版されるや大変な人気を博し、第1部の刊行から約3年でシリーズ合計290万部〔スウェーデンの人口は約900万人である。〕を売り上げるベストセラーとなり、「読まないと職場で話題に付いていけない」と言われるほどであった〔『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』訳者《ヘレンハルメ美穂》あとがきより〕。また、フランス、ドイツ、アメリカをはじめ30カ国以上で翻訳され、全世界で800万部以上を売り上げた。日本語版の翻訳権は早川書房が独占しており、2008年から2009年にかけて出版された〔訳者が複数名いるのは、スウェーデンに移住したヘレンハルメが実際に専門に勉強した語学がフランス語であるからで、フランス語翻訳家である岩澤・山田がフランス語版から翻訳を行い、これをヘレンハルメがスウェーデン語の原書と照らし合わせて修正を加えるという形を取ったためである。〕。 第1部「ドラゴン・タトゥーの女」と第3部「眠れる女と狂卓の騎士」はスカンジナビア推理作家協会が授与するガラスの鍵賞〔同協会が北欧5カ国で書かれたミステリの最優秀作品に与える賞〕を、第2部「火と戯れる女」はスウェーデン推理作家アカデミー最優秀賞を受賞した。 ; 作品テーマ : 第1部の原題 ''""'' は直訳すると「女を憎む男達」であり、シリーズ全篇を通して、女性に対する蔑視および暴力(ミソジニー)がテーマとなっている。これは著者が15歳のころ一人の女性が輪姦されているところを目撃していながら、何もせずその場を逃げ去ったことに由来する。著者はその翌日、被害者の女性に許しを請うが拒絶される。その時以降、自らの臆病さに対する罪悪感と女性暴力に対する怒りが著者を生涯つきまとうようになった。その被害者の女性の名前は「リスベット」で、これと同じ名前が本作の第二の主人公に与えられている。 ; 制作背景 : 第2部までを書き終えた時点で出版社と連絡を取り契約、その時点で第5部までの構想があったというが、ラーソンは第1部の発売も、シリーズの成功も見ることなく、2004年に心筋梗塞で急死した。ラーソンの死により、彼のノートパソコンには第4部の4分の3に相当する下書きが残されたが、パソコンを現在所持しているパートナーのガブリエルソンは結婚しなかったのがあだとなって彼の作品に関する権利を持たず、彼の意思も残されなかったため公表の目処は立っていないという。なお、1巻分もしくは2巻分の概要もしくは草稿が残されている可能性があるという。 ; メディア展開 : 三部構成で映画化され、第1部はスウェーデン本国では2009年2月27日に公開された。公開日週末の観客動員数は17万人を超え、人口の少ないスウェーデンでは滅多に見られない盛況ぶりで、スウェーデン映画としては大成功といえる結果であった〔『ミレニアム2 火と戯れる女』訳者あとがきより〕。テレビドラマ版は2010年2月より放映が予定されている。また、ハリウッドがリメイク版の製作に興味を示していると噂され〔『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』訳者あとがき〕、2010年7月、デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演となることが決まった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミレニアム (小説)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Millennium series 」があります。 スポンサード リンク
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